2012年11月から睡眠時無呼吸外来を開設いたしました。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は日本人に約200万人とされ、その多くは肥満を原因とします。人生の3割を占める睡眠の良し悪しが生活の質(QOL)を左右します。
集中力や記憶力が低下し、仕事に支障をきたしたり、眠気が強いと居眠り運転で交通事故を引き起こし、社会的な責任を問われる場合もあります。以下のような方はSASを合併している確率が高く、一度専門医療機関への受診をお勧めします。
(1)就眠中のいびきや無呼吸を指摘された方
(2)日中の眠気などが続く方
(3)高血圧や糖尿病の治療がうまくいかない方
(4)心不全や脳卒中後の方
放置すると無呼吸によるストレスが心臓や肺にかかり、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞などの原因になります。しかし、SASは何らかの治療により劇的な症状の改善が得られ、生命に関わる疾患の発症予防が可能です。
(心血管イベント発生率(12年後の比較): 健常者5%、治療者7%、無治療者33% (*))
(*) M Marin et al; Lancet ; 365: 1046-1053 2005
当院では一泊入院でのfull-PSG検査が可能です。
簡易PSGにてAHI 40未満の方にはCPAP保険適応の診断をいたします。
詳細は地域連携室までお気軽にお問い合わせください。
呼吸器科医師 香河 和義